大腸障害を食事で直す キャロル・サイモン
医師や研究者が慢性病や難病が食事で治るといって専門的資格を疑われることは少なくない。何しろ、権力、特権、西洋思考はいうまでもなく大きなお金が現代医療の(高額な)検査や薬物治療に著しく偏っているのだ。治癒とか病気の改善といった言葉を使うこと自体が良かれと思って使っている医師を同業者の非難(場合によってはもっと厳しい)を浴びることもあるのだ。では、医師が患者の病気が自然な方法で治そうといって生活が苦しくなるとしたらどうだろう。大いに自慢しても良いことではないだろうか。
イレーン・ゴットシャルは正にそのような経験をしていてそれを書くことによって多くの人に希望を持ってもらおうと決めた。50年以上前ゴットシャルは、名の通った92歳の小児科医シドニィ・バレンタイン・ハース博士に食事が消化器の病気を改善できるといわれた。ハースは8歳になるゴットシャルの娘の潰瘍性大腸炎を良くするために食事療法を勧めた。ハースを訪れる前に娘の状態は酷く手術の予定になっていた。しかし、ゴットシャルはハースの勧めを受け入れて娘に食事療法をさせた。変化は良い方向に著しかった。一年後には健康になり元気一杯になった。その驚きと感謝の気持ちが他の人たちを助けようという彼女の人生の冒険の始まりになった。彼女の処女作「Breaking
The Vicious Cycle:Intestinal Health Through Diet(悪循環を断つ!食事で健康な消化器)」(現在11刷りでPPNFから入手可)で食事がなぜ何千人もの人の過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、憩室症、セリアック症、クローン病、大腸痙攣、嚢胞性線維症、重症の便秘、慢性下痢の症状を抑え、改善すらできることを説明している。読者が食事療法を続けられるようにこの本には食欲をそそるレシピがついている。色々な言語で100万部以上売れ、たくさんの感激した(治癒した)読者の話を聞いて自分がやってきたことは間違いではなかったと確信した。近年では、自閉症とか癲癇の子供たちも良くなっていることを自分でも見たり、そういう話を聞くことも多い。成功は疑うべくもない。
50年以上の経験と12年に及ぶ応用研究から消化器疾患には大きなお金が動くこと、そして非常に多くの人が耐え難い苦痛に苦しんでいることを知った。食べ物がなぜこれほど影響があるのかをもっと学びたいと、ゴットシャルはモンクレア州立大学生物学に入りここを優等で卒業しラトガース大学の院生として栄養学を学んだ。カナダに移って西オンタリオ大学動物学部で細胞学部に所属し同校で修士を得ている。さらに同大学の解剖学部で炎症性の消化器病に起こる細胞壁の変化を研究している。消化、免疫、栄養生化学、微生物、細胞生物学、組織学も勉強しているが、中心的関心はいまだに食べ物の消化器機能と人の行動への影響である。最近では、彼女の研究の概要がMedical
Veritasに載ったり、DAN(DefeatAutism Now:自閉症を克服しよう)会議の基調講演をしたりしている。現在80代になる。