プライス・ポッテンジャー栄養基金
未開集団の栄養と身体の退化

ウェストン・プライス博士が調査した14の地域と集団は、当時未開地と文明と接触する交易地が並存しており、格好の調査対象となっている。これらの地域では、警官、刑務所、病院、学校などが無く、未開集団では病気は怪我位で他には殆ど無く、ごく平和で争い事が無く性格も道徳的にも非常に高いことが記されている。 しかし、一旦文明食を食べ始め、身体の退化が始まると共に性格的にも道徳的にも退化し、神経質な面や猜疑的な面、利己的な面が出るようになってくる。 従って、近代化集団では、病気が出始めると共に手当ても何も受けられず栄養知識もないため食事を元に戻すということを思いつかずに病気になると深刻でだった。 近代食を取り入れた両親に生まれた子供達には、骨格の異常が起こって顔が細くなり歯列弓が狭いため乱杭歯が発生し、虫歯も幼いときから多い。 
近代文明は、砂糖、長期輸送に耐えられるようにするために加工した精白小麦、ジャム、砂糖と甘味食品、缶詰などと共にやってきた。 毛皮や酪農製品と交換するために西洋の商人がもたらしたものだ。 その結果、虫歯や骨格の異常と共に様々な病気が出るようになっている。以下は、プライス博士が訪れた地域集団の特徴を書き出したものである。
民族名 虫歯罹患率
(%)
主な食物 土壌、栽培等
未開集団 近代化集団 未開集団 近代化集団 病気
スイス 4.60 29.8 放牧家畜(牛、山羊)の乳製品チーズ・バター・生ミルク、ライ麦、小麦 独自の食事 + 砂糖、精白小麦、ジャム、缶詰、キャンディー等 虫歯、結核
ゲール族 1.20 30.0 魚類、カラスムギ、オート麦、海産物(海老,蟹、牡蠣、蛤) 現地食と精白パン、精白小麦製品、缶入りマーマレード、缶詰野菜、甘味ジュース、ジャム、お菓子 虫歯、結核 泥炭地
エスキモー 0.09 13.0 海産物、アザラシ、鮭、その他魚類、カリブー、海生動物の内臓,海藻 現地食と精白小麦製品、菓子類、砂糖菓子、缶詰、ジュース類 虫歯 耕作不能
北方インディアン 0.14 21.5 大鹿、トナカイ等野生動物、魚、魚卵、海藻、 同上 植物油、シロップ、菓子類、甘味食品 虫歯、歯並び不良、結核、胆嚢、腎臓、胃、虫垂などの外科的病気 耕作不能気温が冷夏70Fにもなる。
セミノール・インディアン 4.00 40.0 大鹿、鹿、鮮魚、魚の干物 虫歯、結核
メラネシア人 0.38 29.0 ココナッツ、植物、果物、ヤシ蟹 小麦粉製品、砂糖、甘味料、缶詰食品、精白米 虫歯、歯槽膿漏
ポリネシア人 0.32 21.9 海産物特に貝類、タロイモ 精白小麦製品、砂糖、缶詰、シロップ、精白米をコプラと交換 虫歯、結核
アフリカ人 0.20 6.8 肉、ミルク、動物の血(マサイ)、サツマイモ、コーン、豆、バナナ、キビ、インドもろこし、加フィルコーン、野生動物、淡水魚 精白小麦、砂糖、精白米、缶詰、菓子類 虫歯、歯列異常
オーストラリア原住民(アボリジニー) 0.00 70.9 魚、ジュゴン、海牛、甲殻類、海藻(海岸種族)、陸棲動物、植物(内陸種族) 虫歯、歯列異常
ニュージーランド・マオリ族 0.01 55.3
マレー人 0.09 20.6
海岸地方・ペルー人 0.04 40.0+
アンデス高地・インディアン 0.00 40.0+ ジャガイモ、トウモロコシ、キヌア、ラマ、アルパカ、野生動物、モルモット、鳥
アマゾン・ジャングル・インディアン 0.00 40.0+