酸・アルカリバランス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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酸・アルカリバランスと健康 ガン治療意のエマニュエル・レヴィチ、常に議論をかもす検査開発技術者ケイリ―・リームス博士、眠れる預言者エドガー・ケイシ―のような伝統医学医師から代替医学先駆者まで、多くのヒーラー(治療者)が酸性・アルカリ性について語っている。 彼等が体内の酸・アルカリバランスという時、何を意味しているのだろうか。 何故重要なのか? 栄養や生活法がどのように酸・アルカリバランスに影響するのか? この問題は、特にウェストン・A・プライス博士の研究に関係しているので、この論文では踏み込んでいくつか答えてみたい。 まず、酸性、アルカリ性を化学の基礎知識と共に定義しよう。 化学で酸性、アルカリ性といった場合、水素のことをさす。 酸は、溶液中で水素を放出する物質のことで、アルカリ又は塩基とは溶液から水素を奪う物質のこと。 遊離水素の量は、pHという1-14の尺度で正確に酸性、アルカリ性をしめしている。 pH7以下は酸性、pH7以上はアルカリ性とされている。
酸・アルカリバランスの調整
肺は、血液から二酸化炭素を取り除いて酸アルカリバランスを調整している。 二酸化炭素は体内で水と結合して炭酸を造るので二酸化炭素を取り除くことは酸を取り除くことになる。 呼吸数は、体の酸性度で変わり、酸性では呼吸数を増やして二酸化炭素排出を促進して 酸性度を下げ、アルカリ状態ではゆっくりとなって酸を保持してアルカリ度を下げる。 腎臓も血液のpHに反応する。 血液の酸が強くなると、腎臓から水素を尿中に出して過剰ナトリウムを保持する。 この交換にはリンが必要で、他に供給源がないときは骨から取り出す。 血液が強酸性になると、腎臓は水素が四つあるアンモニアを尿中に出すという別の方策をとる。 強アルカリ性になるとこれが逆になり水素を保持する。 消化工程では、酸・アルカリバランスは胃と膵臓からの分泌に影響される。 この分泌液は血液に吸収され体全体に影響する。 何かを食べると胃には胃酸が分泌される。 この酸に対して膵臓は炭酸水素イオンを出して胃酸を中和し膵臓の消化酵素がうまく働くようにする。 通常食後一時的に酸、アルカリの大量分泌、胃と膵臓の分泌に対応した血液pHの変化が起こる。 通常血液のpHは、すぐに正常値に戻る。 しかし、消化液の分泌がバランスを崩すと全身が影響を受ける。 医師には、ウィリアム・ギルポット博士のように、膵臓の重炭酸の分泌が良くないのが体の酸性化を生むと考えている人も居る。 その他の消化器異常でpHに影響するのは重炭酸を無くす下痢と酸がなくなる嘔吐がある。 血中のpHが厳格に調整されているように、細胞内の酸・アルカリ環境も狭い範囲に治まるように調整されている。 この調整の一つに細胞膜で水素を出し入れするポンプ作用がある。 このポンプには、リンとマグネシウムが必要で微量養分が酸・アルカリバランスに関与している。 細胞内のpHを調整するものに水素の量を増減する化学反応がある(1)。 酸性、アルカリ性の過剰症状 血液の酸性が強くなると、眠気、更に意識朦朧、昏睡になる。 腎臓や肺の病気、脱水症、特定の薬物摂取、糖尿病や下痢などから急性酸毒症になる。 この治療には重炭酸ソーダのようなアルカリ溶液を与える。 酸毒症の特異なものにケトン症があり、脂肪が多く炭水化物が少ない食事や糖尿病、飢餓などで炭水化物よりも体脂肪が燃焼される時に起こる。 しかし、炭水化物を含む正常な量の脂肪を摂取すると、大多数の人には脂肪による酸・アルカリバランスの問題も全く起きない。 体のpHを測る。 臨床的に知られ、利用されている方法は血液の酸度、アルカリ度がほとんどで、血液のpHは測定できるが他の組織のpHのは困難若しくは不可能。 医師が体と細胞の酸度、アルカリ度を特定するのは概ね血液を分析して行う。 血液中の要素で調べるものには、ナトリウム、カリウム、塩素、二酸化炭素、炭酸水素塩がある。 アニオンギャップとして知られる値は、ナトリウム、塩化物、炭酸水素塩を測定して得られる。アニオンギャップは他の数値と共に体組織の酸度、アルカリ度を知るのに使われる(1)。 代替医療実施者は、ケーリー・リームス、ハロルド・ホウキンス、エマニュエル・レビチのいづれかが開発した方法を使う。 いづれも尿のpHと他の要素を測って代謝状態を知る。 リームス博士とホーキンスは唾液のpHも測る。 体内のpHは、尿と唾液のpHだけで分かる方法はない。 前述のように、腎臓は過剰な酸を排除する方法がいくつかありそれぞれ尿のpHの出方が違う。 同様に、唾液pHも口中のバクテリアや微生物によって変わるため、体内環境の確実な指標にはならない。 それでも、リームス博士は、唾液pHは消化液の強度を反映していると考えている(4)、(5)、(6)。 栄養と酸・アルカリバランス
より科学的定義を使うと、アルカリ灰食品には、マグネシウム、カルシウム、カリウム、が大量にあり、かつ/又はナトリウムやアルカリ化合物になるものがある。 ほとんどの果物や野菜はアルカリ性と考えられている。 酸灰食品は、塩化物、リン、硫黄、酸化合物を作るミネラルのあるもので、肉、魚、鳥、豆類、穀物などリン化合物が多く、マスタードと卵には硫黄が入っている。 プラム、プルーン、クランベリー、ルバーブ、サワーチェリー等の果物も体内で完全には分解されないシュウ酸か安息香酸があるので酸になる(5)、(7)、(8)。 食品が酸又はアルカリのどちらの残留物を残すかは、それぞれの消化や代謝によっても違う。 例えば、柑橘類やトマトなど有機酸を含むものは、代謝が完全に行われないため人によっては酸を作るもとになる。 これは胃酸が少ない人や甲状腺の働きが悪い人では頻繁に起こる(5)。 体の酸性度や食品の反応に影響する別の代謝要因や生活スタイル要因がある。 感染、喫煙、アルコール摂取などは身体を酸性にする傾向がある(5)、(10)。 逆に、運動をすると体はアルカリに傾くが、やりすぎて気分が悪くなると乳酸が増えて酸性になる(1)、(5)。 食事中の微量要素も酸、アルカリバランスを変える。 マグネシウムとリンが細胞ポンプのために適量必要。 亜鉛は胃酸の分泌と腎臓の酸分泌と保持に必要。 そのほか、ビタミンB群など炭水化物や脂肪を完全に燃やすのに必要。 更に、遺伝的違いが、どんなものがバランス食になるのかを決める可能性がある。 例えば、エスキモーは脂肪を他のどの民族よりも効率的に利用できるし、他の民族ではなる脂肪の摂りすぎによるケトン症にもならない(12)。 ケイシーの推奨することがプライス博士のと違うのは、それぞれ気候や活動性の違う民族に合っているという事なのかもしれない。 アメリカに住むヨーロッパ人の子孫は、特に虫歯に対処するために他の方法と共に食事の酸性、アルカリ性を使ってきた。 南カリフォルニア大学の歯科教授ハロルド・ホーキンズ博士は、1940年代に食品のpH、ミネラルによる唾液、尿、血液への影響を調べている。 唾液と尿のpHやミネラル量は食事によって変わるが、血液のpHは消化や色々な代謝や生活スタイルによる影響のほうが大きいことを発見している。 この研究成果として、ホーキンズ博士は、唾液と尿の化学組成をバランスさせる食事中心の処方によって、殆どの人に合う歯や病気治療が可能なダイエットを構築することが出来た。 ホーキンズ博士も、プライス博士のように適量の脂肪や野菜と共に動物性蛋白質と全粒穀物の重要性を強調している(5)。 結論 酸・アルカリバランスは、健康と身体の機能に重要な要因です。 食事は、食べるものとその代謝に影響する栄養成分の酸やアルカリを形成することで酸・アルカリバランスを変える要因の一つです。 栄養豊富な伝統食は、優れた代謝、正常な酸・アルカリバランス調整、最高の健康に必要な必須成分を与えてくれる。 編者注:代替医療実践者で肉、魚、穀物といった酸性食品を最小限にして果物と野菜を中心に摂るように主張している人が何人かいる。 果物や野菜はアルカリ化するミネラルを多く含んでいるということなど食事の一部にすることは大切だが、大部分の人にとっては酸、アルカリバランスを維持するために肉や全粒穀物など酸灰食品を最小限にする必要はない。 それどころか、酸灰食品が無いと体が適正な血液pHを維持することが出来なくなる欠乏症になる。 肉や動物性食品は蛋白質を、赤肉は亜鉛を、肉と正しく調理された全粒穀物はリンを供給し、これらはいづれも酸・アルカリバランスの調整に必要なものばかりである。 肉、貝、良質のバターにある脂溶性ビタミンは、酸・アルカリ調整を行う肺と腎臓という二つの臓器の健康維持を支えている。 ウエストン・プライスの研究は、アルカリ灰と酸灰ミネラルを豊富に含んだ栄養豊かな食事が酸・アルカリバランスを制御する複雑な臓器を含む全体の健康の鍵であることを示している。 参考文献
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