マラチオンの害 | ||||||||||
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アンドリュー・カレー
マラチオンは、直接、間接に環境に害を与えるものです。この薬剤が、土に浸透して淡水湖に流出する可能性があります。これらの湖には植物プランクトンと呼ばれる酸素を作る植物がいます。私の調査では、マラチオンは動物用で植物用ではありませんが、湖に入ると植物プランクトンに有害な影響があります。 植物プランクトンは、プランクトンの中でも最も光合成が盛んなものです。重要な働きは、太陽エネルギーとCO2を光合成によって酸素に変換することです。このプランクトンは、魚や水中の生物が出す二酸化炭素を溶存酸素に変えます。 私達は、植物プランクトンの”生物学的健康度”を溶存酸素の量で知ることが出来ます。植物プランクトンの減った湖では、酸素の供給量が減り、無酸素状態になって動物が生きられなくなります。 植物プランクトンの生産性を計るには、サンプリングした水中にある溶存酸素を測定することで出来ます。私は、都市排水が流れ込んだのと同じと考えられるマラチオン濃度の範囲で、植物プランクトンのサンプルを培養してみました。サンプルは72時間培養されました。 その後実験室へ持っていって溶存酸素メーターを使って溶存酸素量を測定しました。 試験結果によると、マラチオン農薬は植物プランクトンの生産性に著しい悪影響のあることが分かりました。マラチオンの濃度が高いと植物プランクトンの生産性は低いのです。これは、マラチオンの濃度が高いと湖に住む魚や水中動物の数が減ることを意味します。 マラチオンの影響をもっと知るために、長期的な調査が必要です。そのような調査では、もっと湖の色々な場所で同時に培養すると良いでしょう。こうすれば、天候やその他の変化によるバラツキを無くすことが出来ます。更に、現場での培養期間を長くすることで植物プランクトンの長期的影響が分かり、溶存酸素量の季節的変動値がわかります。植物プランクトンが減ることによる食物連鎖の上位への影響を知る研究も出来ると思います。マラチオンの環境に与える影響を知ることで、研究者が害虫を減らすために環境負荷の少ない成分を見出すよう促す筈です。 All information Copyright ゥ1997,1998, 1999,
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